スマホの普及率は世界的に見てもかなり高いものがあります。
日本国内でも多くの方がスマホを使っているはず。
ただ契約しているデータ通信容量の節約をするために、自宅では固定回線につないで
使っているという方も多いのでは。
そんな時に使うWi-Fiルーターですが、中でもとても注目されている商品があります。
その1つ、AirStation WSR-2533DHPL-Cという商品について調べてみました。
AirStation WSR-2533DHPL-C自体は次の商品が発表されている
AirStation WSR-2533DHPL-Cという商品、メーカーはBUFFALOで現在はすでに
発売終了をしている商品です。
ただまだ流通はしているようで、新品でも店頭で見かけることが出来ますし
通販でも新品の購入をする事が出来ます。
ただ基本的にはすでに発売終了という商品なので、今後はもし入手したいという場合は
中古での購入がメインになるかと。
そしてAirStation WSR-2533DHPL-Cの後継機もすでに発売されていて、こちらの
Wi-Fiルーターは商品としては型落ちという扱いになります。
ちなみに現在の大手通販サイトでも購入価格は、新品で8,000円弱というかなり
高いという印象の金額が付いています。
ほとんど定価のような金額で取り扱われている、という状況です。
中古の場合は3,500円くらいとかなり安くなるのですが。
なぜAirStation WSR-2533DHPL-Cはこれほど人気があるのか。
まずは性能を確認してみることにしましょう。
4×4アンテナを搭載、5GHzは最大1733Mbpsという最高速度
端末と通信をするアンテナは内蔵ではありますが4×4アンテナを搭載しています。
これにより通信速度が安定して、高い速度での接続が期待できることになります。
実際にカタログスペックではありますが、5GHzの周波数帯電波では下り最速1733Mbps
という数値が記録されています。
そして2.4GHzの周波数帯電波でも下り最速800Mbpsという数値がでます。
どちらも理論値となりますが、高速通信に関しては期待ができるかと。
ただし現在では更に安定した高速通信が出来るWi-Fiルーターはかなり多くあります。
実際にAirStation WSR-2533DHPL-Cの後継機でも性能は上がっていますので。
当時の価格としては1万円弱の商品として、それなりに魅力的な通信速度でした。
でも今購入を考えると、ちょっと厳しいところかもしれません。
ビームフォーミング機能搭載
基本的にWi-Fiルーターは、それを中心に同心円状に電波を飛ばして端末と通信をします。
そのためにある程度電波が無駄に飛ばされている、という状況でした。
安定した通信をするためには、電波が強力であればいいのですが。
従来の製品では可動式のアンテナ以外で電波を狙った方向に向けることが出来ません。
でもAirStation WSR-2533DHPL-Cに搭載されている「ビームフォーミング機能」は
接続している端末に電波を集中させることが出来るのです。
AirStation WSR-2533DHPL-C本体が接続している端末の位置を自動判別して、そちらに
電波を集中させて飛ばすことが出来ます。
電波の反射なども計算して、受信する端末に電波が集約するようにする技術です。
電波を多く使えるので、安定した高速通信が期待できるようになります。
ただしこのビームフォーミング機能は、接続する端末も対応している必要があります。
Wi-Fiルーターだけでは使う事が出来ません。
そしてビームフォーミング機能に対応している端末はiPhoneなど一部端末のみなので
ちょっと残念なところでもあります。
無線引っ越し機能対応
Wi-Fiルーターを使う場合、外部の人間が勝手に回線を使わないようにルーターへの
アクセスをするためにセキュリティをかけています。
一般的にはSSIDとパスワードを設定して、正しいIDとパスワードの入力をした
端末のみがWi-Fiルーターに接続可能となります。
Wi-Fiルーターは最初からSSIDとパスワードが設定されていて、個人でIDと
パスワードを変更することも出来ます。
この機能を利用して、以前使っていたWi-FiルーターのSSIDとパスワードをそのまま
購入したAirStation WSR-2533DHPL-Cで使う事ができる機能があります。
それが無線引っ越し機能です。
AirStation WSR-2533DHPL-CのSSIDとパスワードを今まで使っていたルーターの
SSIDとパスワードに変更することで端末の設定変更が必要なくなります。
そしてこの機能はBUFFALOのルーターだけではなく、他社のルーターからの引っ越しも
利用することが出来るのです。
どちらのWi-FiルーターもAOSS/WPSに対応しているという制限はありますが。
Wi-Fiルーターの面倒くさい設定から開放されるという大きな魅力があります。
無線引っ越し機能は使えないことも多い
とても便利に感じる無線引っ越し機能ですが、実はこの機能を使う時に失敗をするという
報告がとても多いのです。
基本的にはボタンを押すだけで設定をAirStation WSR-2533DHPL-Cに移行することが
出来るということですが。
設定の移行ができなければ、手動で移行するか端末の接続設定をすることに。
自分で使っている端末が少ないなら、端末の設定変更で手間はありません。
ただ多くの端末を使っている場合、また携帯ゲーム機などいつも使っていない端末も
Wi-Fiルーターに接続している場合はかなり面倒くさいことになる可能性もあります。
特にこの「無線引っ越し機能」を使いたくてAirStation WSR-2533DHPL-Cを選んだ
という方にはかなり不満がたまるようです。
こちらの機能は使えないことも多い、ということを覚えておきましょう。
設定と変更がスマホから出来る
Wi-Fiルーターを新しくする場合、パソコンなどからWi-Fiルーター自体の設定を
行う必要があります。
元々パソコンを持っていて、通信関係にも詳しいという方なら何も問題はないのですが
普段はパソコンを使わないという方も多いかと。
スマホやタブレットPCを使うためにWi-Fiルーターを導入したのに、設定にパソコンが
必要になるというのもおかしな話ですよね。
でもAirStation WSR-2533DHPL-Cならその初期設定をスマホから行えます。
事前にスマホに専用アプリを入れておく必要はありますが。
アプリを使えば説明書などにあるQRコードを読み込んで、スマホだけで回線への
接続設定が出来るようになります。
更に別のアプリも必要になりますが、使っているWi-Fiルーターの設定を変更する
ということもスマホから出来るようになります。
どちらもアプリは無料でダウンロードできるので、余計なコストをかけずに使えるのは
嬉しいところです。
ただこの機能、最近のWi-Fiルーターでは基本的に標準装備されています。
こちらの商品の特別な機能、というわけではありません。
特定端末のネット接続制限をかけることが出来る
子供のスマホ依存症、親としては考えなくてはいけないところです。
でも自宅で固定回線にWi-Fiルーター接続ならいつまでもネットが出来てしまいます。
そこで特定の端末の接続を一定時間に制限して、インターネットの利用を調整する
アクセスコントロール機能があります。
指定された端末からのWi-Fiルーター接続は、決まった時間内のみ許可するなどの
設定をする事が出来ます。
指定された端末以外はいつでもアクセスが出来るので、仕事で使うノートPCは
いつでも普通にインターネットアクセスが出来る状態を保てるのです。
アクセス制限をするのはWi-Fi接続だけではなく、有線接続している端末でも
制限をかけることが出来ます。
据え置き型のゲーム機を有線接続でインターネットにつないでいる、という場合も
アクセスコントロール機能を使うことが出来ます。
中継機として使う事ができる
一戸建てなど部屋数が多くなるとWi-Fiルーターの設置位置によっては全ての部屋で
快適にインターネットが出来ない、という状況になることも。
マンションなどの集合住宅の場合でも、壁など障害物が増えることでWi-Fiの電波が
届きにくくなるということも考えられます。
こんな上体を解消するために支えるのが中継機ですが、AirStation WSR-2533DHPL-Cは
この中継機と同じ働きをすることが出来るのです。
元々のWi-Fiルーターから発信された電波を一度AirStation WSR-2533DHPL-Cで受信。
そのSSIDとパスワードをそのままに電波を中継して接続ができるのです。
対応しているのはBUFFALO製品だけではなく、他社のWi-Fiルーターでも問題なく
モード変更で普通に子機として使えるようになります。
普通の中継機と違ってLANポートが4基ついているのでWi-Fiに対応していない
デスクトップPCをWi-Fi接続するということにも使えます。
中継機としての設定はパソコンから行う必要があり、中継できるのも親機から子機の
1台のみという制限はあります。
ただかなり高性能な中継機として使えるというのはかなり大きな魅力になります。
今のWi-Fiルーターの電波も中継できるのは魅力的
商品としては型落ちといえるAirStation WSR-2533DHPL-Cですが、この中継機として
使う事ができるというのはかなり魅力的です。
現在では有線LANでの接続も、ゲーミングPCや家庭用ゲーム機でのネットゲームなど
確かに見直されているところはあります。
でもケーブルを使わずに、スッキリとした状態を保つことが出来るWi-Fiでの接続は
やはり主流と言えます。
ただ実際にWi-Fiルーターを設置してみると、場所によっては電波が弱くなってしまう
というトラブルも多く報告されています。
それを解消できるのが中継機ですが、そもそも中継機の場合はLAN端子が少ないです。
商品によっては付いていない、有線LAN接続ができないというものも。
一戸建てで1階にWi-Fiルーターがあり、2階でもインターネットを使いたいけど
Wi-Fiに対応していないデスクトップPCだと有線LANケーブルを引くことに。
かなりの長距離のケーブル設置を考えると、中継機までWi-Fiでそこから有線LAN
という使い方はとても魅力的です。
しかもAirStation WSR-2533DHPL-Cは元々Wi-Fiルーターなので、電波が届く範囲も
普通の中継機より広くなります。
LANポートの多い、電波が届きやすい中継機というのはとても魅力的な商品です。
この使い方ができるWi-Fiルーターとして注目されていると考えられます。
爪折れ防止のLANケーブル付属タイプがAirStation WSR-2533DHPL-C
AirStation WSR-2533DHPL-Cが注目されている理由がわかったところで、少し細かい
話もまとめてみます。
商品としてAirStation WSR-2533DHPLとAirStation WSR-2533DHPL-Cという
2種類の商品があることを知っていますか?
はっきり言えば最後に「-C」が付いているだけなのですが。
一応商品として別の扱いをされています。
この2つのWi-Fiルーターの違いはどこにあるのでしょうか。
実は付属品の違いだけなのです。
AirStation WSR-2533DHPL-Cの方には爪折れ防止が施されているLANケーブルが
付属しています。
爪が劣化して折れてしまうと、ケーブルが抜ける原因になり通信の安定性も悪くなる
ということで最近では多くのLANケーブルが爪折れ防止対応です。
それが最初から付属しているのがAirStation WSR-2533DHPL-Cという型番になります。
通常は普通のCat5eのLANケーブルが付属しています。
商品はどちらも同じものです。
付属しているケーブルの種類が違うだけです。
Wi-FiルーターとしてはMU-MIMOがない
ちょっと前のWi-Fiルーターということを実感してしまうのが、こちらの商品には
MU-MIMOが搭載されていないことです。
MU-MIMOとは簡単に言えば複数の端末と同時にWi-Fi接続が出来る機能です。
この機能がない場合、端末と順番に接続をしていくことになります。
元々Wi-Fi通信自体が短期間に通信を連続して行うという状態です。
それを接続している端末ごとに、順番に繰り返していくことになります。
でもMU-MIMOがあれば同時に複数の端末と接続ができるので、どの端末も
安定して通信をすることが出来るようになります。
一応最大同時接続数は4台ということですが、これがある場合の通信速度は
かなり体感でも変わってくる、と言われています。
一人暮らしならあまり関係ない、と考える人も多いのですが。
スマートスピーカーなどを使っている場合はかなり必要となる機能でもあります。
AirStation WSR-2533DHPL-Cにはこれが付いていない、というのがちょっと昔の
Wi-Fiルーターだ、と感じてしまうところです。
IPv6方式の通信サービスで使えない
光回線のIPアドレス枯渇対策に、更には回線の混雑解消にも期待されているのが
IPv6方式の通信サービスです。
現在、NTTが提供するフレッツ光ではプロバイダごとに提供するサービスが変わりますが
ほぼIPv6方式のサービスを提供しています。
そして注目されているのが、従来のIPv4方式と切り替えをせずに使う事ができる
IPv6 IPoE+IPv4 over IPv6方式の通信サービスです。
IPv6対応サイト以外でも高速通信が出来るとあって、とても注目されているのですが
使うためにはプロバイダから申し込みが必要です。
そしてプロバイダによってはIPv6方式に対応したWi-Fiルーターを自分で用意する
ということが必要になります。
新規加入サービスやキャンペーンでIPv6方式対応Wi-Fiルーターの無料レンタルを
行っているというプロバイダも多くあります。
でも現在すでに契約しているプロバイダでIPv6方式のサービスを使う場合や
レンタルでは不安、という方はやはり自分で用意することになります。
そしてAirStation WSR-2533DHPL-CではこのIPv6方式の通信に対応していないので
サービスを使う事が出来ないのです。
一応動作確認が取れていないWi-Fiルーターでも利用できる場合はあるのですが。
そもそもルーターに「パススルー」という機能がなければIPv6は使えません。
プロバイダや提供企業が「対象外」としているWi-Fiルーターを使っての通信は
全て自己責任になるので、おすすめすることが出来ないのです。
高性能な中継機としてはとても魅力的
現行の商品と比べてしまうと、確かに性能などの見劣りがするということになります。
でもAirStation WSR-2533DHPL-Cは中継機としての魅力がとても高いのです。
BUFFALO製品に限らず、どんなWi-Fiルーターでも電波を中継することが出来て
LANポートも多く装備されています。
電波をカバーできる範囲も広いので、子機として1台しか接続できないことがそれほど
大きなデメリットに感じません。
電源が必要なのは普通の中継機と同じですが、ACアダプタを使うのである程度は
コンセントから離れた場所に設置することも出来ます。
今の小型中継機と比べると、確かに使いやすいという魅力があるのです。
ただ現在AirStation WSR-2533DHPL-Cを新規で購入する場合、安くても7,500円くらい
という金額が必要です。
安い中継機なら1,500円くらい、それなりの性能でも3,000円あれば購入できるので
新しく購入するというメリットはかなり低くなってしまいます。
以前にAirStation WSR-2533DHPL-Cを使っていた、という方が中継機として使うには
おすすめできる方法なのですが。
複数のLANポートが付いた中継機が必要、という場合以外にはあまり新規購入は
必要ないかもしれません。