配線

HIVP管とはどんな用途で使われている?

投稿日:

家を建築する時には色々な配管を設置することになります。
インターネット回線の関係で言えば、壁の中に配管を通すことも多くあります。

元々電話回線や電器回線などを壁の配管で家中に行き渡らせる、という方法ですが
配管には他にも多くの種類があります。

そんなものの1つ、HIVP管というのはどんなものなのか。
ちょっと調べてみることにしました。

   
   

HIVP管は塩化ビニル管の1つ

かなり大雑把な説明をするなら、HIVP管というのは塩化ビニル管の1つです。
性能がちょっといい塩化ビニル管という感じでしょうか。

では塩化ビニル管というのは何なのでしょうか。
これは下水道管で使われているパイプというとイメージしやすいでしょうか。

一般的に道路で使われている上下水道管ではなく、家の中で水を使う時に設置される
水のための配管に使われるのが塩化ビニル管です。

その中でもちょっと特性が付いているのが「HIVP管」ということです。
基本的には水回りで使われる配管のパイプ、というところでしょうか。

一応特殊な使い方で壁の配管などにも使われるようですが。
基本的には水道関係の配管で使われているパイプです。

ちなみに水道用のパイプというとかなり専門的という印象があります。
でも塩化ビニル管は普通に、一般人でも気軽に購入することが出来ます。

通販はもちろん、ホームセンターなどでもかなり多くのサイズが購入できます。
色々なパーツや専用工具なども購入することが出来ます。

自分で水道工事をする、ということではなく色々な用途で使うことが出来るという
使いやすい素材という意味でも注目されているようです。

   
   

HIVP管の特徴は寒いところで使いやすい

そんな塩化ビニル管の1つ、HIVP管とはどんなものなのか。
こちらも簡単に説明するならVP管の欠点をなくしたものの1つです。

塩化ビニル管には色々な種類があり、今一番使われているのがVP管というものです。
普通に、一般的にイメージされる家庭の水道管がVP管です。

かなり普及していて、当然多く作られているためにとても安価で購入できます。
コスト面でもとても優秀というわけです。

でもVP管には色々な弱点があります。
その1つが寒いところでは耐久性がちょっと悪くなってしまうこと。

そのために衝撃に強いVP管を作りました。
これがHIVP管というわけです。

日本語で言えば「耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管」がHIVP管です。
名前で言うなら衝撃に強くなった塩化ビニル管、ということでしょうか。

ただ性能的には外気温が低い時に割れやすくなる塩化ビニル管のVP管を改善して
作られたということになります。

そのために寒冷地で使われることも多いのがこのHIVP管ということに。
ただ寒いところでだけ使われるわけではありません。

衝撃を受けやすいところでも使われるので、やはり「衝撃に強いVP管」という
使われ方をしているようです。

欠点はちょっとコストが高くなること

VP管の欠点をなくし、使いやすくなったHIVP管ですがデメリットとしては1つずつの
コストが高くなってしまうことです。

耐衝撃力を高くしたためにVP管よりもパイプや接続パーツなど、1つずつのコストが
HIVP管のほうが高くなります。

例えばパイプの直径が18㎜のVP管を2m購入した場合、メーカーなどで金額は
変わりますが250円しないくらいで購入することが出来ます。

これが同じサイズ、同じ長さのHIVP管を購入する場合には300円を超える金額が必要
ということになります。

単純に100円以上高くなることが多いです。
例えばあるホームセンターの金額を見るとVP管が2m240円でHIVP管が2m370円です。

水道管として使う場合、家の水道管全てをHIVP管にする場合残すとはVP管のコストと
比べるとかなり高くなるのが予想できます。

寒冷地ではそれも必要経費と考えられますが、普通に使うなら結構な金額が加算される
というちょっと使いにくい状況です。

利用するシーンを考える必要があるかな、というのが正直な感想です。

   
   

HIVP管が作られた背景

先ほど少し説明しましたが、HIVP管は元々あったVP管の欠点を補うことを目的に
作られています。

日本語の訳通りに「VP管より衝撃に強い」塩化ビニル管を作った、ということで
HIVP管が出来ました。

作られることになった背景というのはまさにこの通りで、VP管を使った施工をしている時
またVP管を使っている時に破損してしまう、ということが起こりました。

そこで衝撃に強い塩化ビニル管が必要、ということになり開発されたのがHIVP管です。

そしてこの時にVP管のもう1つの欠点も改善されることになります。
それが寒冷地で壊れやすいということです。

低温度時には普段から悪いと言われている衝撃耐性が更に悪くなり、簡単に破損をする
という報告が多くありました。

寒冷地を中心に報告が多くされていて、それを克服するために素材から改良をして
衝撃に強い塩化ビニル管を開発しました。

それがHIVP管ということです。

HIVP管には耐衝撃改良剤が使われている

HIVP管では衝撃に強くなるように改良がされています。
ではその秘密、というか衝撃に強くなった理由は何なのでしょうか。

作っているメーカーなどでも多少の違いがあります。
でも基本的にはVP管の原材料に耐衝撃改良剤を加えて作られている、ということです。

そしてこの耐衝撃改良剤というのは、やはり色々な種類がありますが基本的には
ゴム素材やゴムのような特性を持つ強化剤を混合することで作ります。

ちょっと具体的に言うと「ABS、MBS、EVA、アクリルゴム、塩素化ポリエチレン」など
ゴム特性を持つ素材が使われています。

この強化剤をVP管の素材に5~20%ほど混ぜることで、素材に柔軟性がでます。
これが衝撃を吸収しやすくなるので、耐衝撃性能が上がるというわけです。

強化剤を混ぜる割合や使う素材などは、メーカーや商品によって変わります。
ただし強化剤を使う分だけコストが上がる、というのはわかりやすいかと。

   
   

HIVP管とVP管の性質、性能の違いを比較

HIVP管というのはVP管の弱点をなくしたもの、という説明はわかってもらえたかと。
そこでどれくらいの性能の違いがあるのか、こちらも確認をしてみましょう。

作り方を調べてわかったのですが、HIVP管はそもそも素材に強化剤を使っていて
それがVP管よりも高い耐衝撃性能を実現しています。

ちゃんと調べてみてもVP管よりも衝撃に対する強度は上がっているはず。
でもそれ以外の性能や性質はどんな違いがあるのでしょうか。

基本的にHIVP管とVP管は使われる用途が同じです。
どちらを使えばいいのか、迷うということも考えられますよね。

そこで基本的な違い、というか性能や性質の違いについても詳しく確認してみたい
と言うことで調べてみることにしました。

物的性質の違い

見た目や重さなど、物的性質の違いを確認してみましょう。
こちらは性能というよりも見た目や持ったときの感覚の違いです。

・ 色 HIVP管 灰青色 VP管 灰色

基本的に塩化ビニルは無色透明です。
そのままパイプを作れば透明なものになります。

ただ透明な下水道パイプというのは、中が見えてしまうのでちょっと問題が。
そこで塩化ビニル樹脂のパイプには染料が使われています。

HIVP管とVP管も見た目で判断できるように違う顔料を使って色付けをしていて
それが灰青色と灰色です。

JIS規格でも明記されているので、JIS規格適合のパイプなら同じ色となります。
HIVP管が灰青色でVP管が灰色です。

・ 比重 HIVP管 1.40 VP管 1.43

かなり微妙な違いになりますが、ちょっとだけ重さが違います。
ただこれを実感できる、という人は少ないかと。

物質的な違いは見た目の色の違いがわかりやすいです。

機械的性質の違い

こちらは機会で計測できる、強さの違いについて確認をしてみます。
HIVP管の特徴でもある「衝撃強さ」も機械的性質に含まれています。

・ 硬さ どちらの塩化ビニル管も同じ
・ 曲げ強さ どちらの塩化ビニル管も同じ
・ 圧縮強さ どちらの塩化ビニル管も同じ

こちらの数値に関しては、HIVP管とVP管のどちらも同じ数値が計測されます。
つまり硬さと曲げ強さ、圧縮強さはどちらも同じ強度を持っているということです。

こちらもJIS規格での計測を確認してみました。
同じ計測方法での強度測定では、同じ数値が出るということです。

耐衝撃性硬化ポリ塩化ビニル管という名前の通り、耐衝撃性以外の性能としては
通常のポリ塩化ビニル管と変わらない、ということがわかりました。

・ 引張強さ HIVP管 40MPa以上 VP管 45MPa

引張強さ、いわゆる引っ張ることに対する耐性という意味ではVP管のほうが強い
という数値がでています。

衝撃に対する対策をしたために、引っ張られることに対する耐性がちょっと悪くなった
という感じでしょうか。

大きく数値が悪いというわけではないのですが、使う状況によっては注意が必要になる
という可能性も考えられます。

・ 衝撃強さ HIVP管はVP管の3~5倍の数値

HIPV管の特徴でもある衝撃強さですが、こちらは素材に混ぜられている強化剤の
種類や分量によって数値が変わってきます。

でもトータルすればVP管よりも数倍、最低でも3倍の強度が確認されています。
やはりHIVP管は衝撃には強い、ということがよくわかりました。

衝撃耐性ではさすがにHIVP管がとても良い数値を出している、ということですが
それ以外の「強さ」という意味ではVP管もかなり優秀という印象があります。

それほど大きく劣ることなく、場合によってはHIVP管よりも良い数値が出せる
というのはさすが現役で使えているパーツという印象です。

熱的性質の違い

衝撃などの強さがわかったところで、今度は熱に対する強さも確認してみましょう。
こちらもやはりHIVP管の特徴でもある特徴ではあります。

そもそもVP管の「冷温時に衝撃にとても弱くなる」という弱点を克服するために
作られたのがHIVP管です。

その数値的な証明を確認してみましょう。

・ 線膨張係数 どちらの塩化ビニル管も同じ
・ 比熱 どちらの塩化ビニル管も同じ
・ 熱伝導係数 どちらの塩化ビニル管も同じ

素材がほぼ同じなので、これらの数値に関してはHIVP管とVP管のどちらも同じ数値
ということになります。

そしてどちらも数値としてはかなり優秀なものがでているそうです。
この辺りはJIS規格で詳しく確認するということになりますが。

・ 使用限界温度 どちらの塩化ビニル管も同じ 60度以上での利用ができない

軟化温度というか、塩化ビニル管としての性能を保つことができなくなる温度が60度で
これ以上の温度になるところでは使用することが出来ません。

台所のシンクの排水管でVP管が使われている場合、熱湯をそのまま流すと60度以上
という高温のまま塩化ビニル管を流れることになります。

これが排水管を劣化させる原因になる、ということを言われていましたが。
それが性能の数値でよくわかってもらえるかと。

基本的な素材が同じなので、この上限温度もHIVP管とVP管では同じです。
高温になるところで使う事が出来ないので注意しましょう。

・ 低温時の性能 HIVP管は温度変化に影響されない

こちらもHIVP管の特性になる「VP管の低温時の衝撃の弱さを克服」ということが
数値でも証明されていました。

VP管は寒冷地などの低音になりやすい土地では衝撃にとても弱くなり、すぐに破損など
壊れてしまうという報告が多くありました。

でもJIS規格での性能検査ではHIVP管の低温時の性能に大きな違いが見つからない
ということです。

HIVP管なら低温時にも通常と変わらない性能で使う事ができる、ということが
JIS規格の試験からもわかりました。

・ 難燃性 どちらの塩化ビニル管でも自己消火性がある

燃えにくさという試験でもHIVP管とVP管はどちらもかなりの好成績です。
しかもどちらも燃えにくいとう特徴があります。

自己消火性があるので、火災などの時に燃え広がってしまうということがありません。
ただし温度が60度以上になると変形をする可能性が高いです。

火事になったときの配管をそのまま使う、ということはないのですが。
自己消火性がある、というのは家に使いやすいかと。

電気的性能の違い

最後に電気的性能の違いについても確認してみます。
基本的には通電に関する性能ということになります。

・ 耐電圧 どちらの塩化ビニル管も同じ
・ 体積固有抵抗 どちらの塩化ビニル管も同じ
・ 誘電率 どちらの塩化ビニル管も同じ

電気的性能に関しては、HIVP管とVP管のどちらも塩化ビニルを使っています。
原料の違いがほぼないので数値的にはほぼ同じです。

一応JIS規格的には数値がよく、好成績ということですが。
そもそも電器が通るところではあまり使われないパイプでもあります。

ただ一部ではインターネット接続サービスの配線や電気配線などにもHIVP管や
VP管を使うという場合もあるそうです。

電気関係の配管で使う場合にもショートしたときの問題がない、と言えるので
確かに使いやすいという印象です。

HIVP管の特徴以外では大きく性能の違いがない

ちゃんとした性能の数値を調べてみると、HIVP管とVP管の性能はそれほど大きな
違いがないという印象になりました。

確かにHIVP管の特徴でもある、耐衝撃性と冷温時の性能低下がないというところは
ちゃんと数値でもでていました。

そもそも、このHIVP管の特徴を出すために開発されたので、それがないということでは
かなりの問題になるのですが。

ただ塩化ビニル管という商品としての性能を考えてみると、HIVP管とVP管ではそれほど
大きく違っていないという印象です。

まだ現役でVP管が使われている、という理由がわかったような気がしました。

ちなみにJIS規格では性能の検査をかなりアナログな方法で行っていました。
衝撃性能などは普通におもりをサンプルにぶつけることで調べています。

決まった大きさ、重さと形状のおもりを一定距離からサンプルに落として
そのサンプルの状態を見て判断する、というものです。

試験方法がアナログだった、というのがちょっと面白かったです。

塩化ビニル管は水道配管の主流

現状では一戸建ての水道配管では塩化ビニル管が主流となっています。
以前のような金属管が使われることは少なくなっています。

理由として考えられるのは、耐久性が高く水に強いこと。
それに総合的な経済性の高いことが考えられます。

単純に言えばコストパフォーマンスが高く、長期間使えてメンテナンスも楽なので
多く選ばれているということになります。

パイプ自体の単価が安い、接続部分などのパーツも豊富にあるという意味でも
コスパがとてもいいということはわかりやすいかと。

それに加えて塩化ビニル管は耐用年数が50年以上と言われています。
長く安定した品質を保つことが出来るので維持費などもかからなくなります。

そして塩化ビニル管は通水性が高い、つまり水垢がつきにくいのでいつまでも変わらず
効率の良い通水が出来るという魅力もあります。

更に金属管と違って腐食がなく、管路にサビが出るという心配もありません。

HIVP管のように、最近では用途に合わせた塩化ビニル管も開発されています。
これを考えるとやはり主流になるのも頷けるかと。

   
   

-配線

Copyright© ソトネット , 2021 All Rights Reserved.