新築の時にLAN配線をする場合にかかる費用は?

インターネット回線は、現状なくてはならない必需品と言われるほどになっています。
当然ですが新築物件を作るときにも、インターネット回線のことを考えることに。

簡単にすべての部屋でインターネットを使えるようにするなら、Wi-Fiルーターを
設置するという方法があります。

ただし最近ではセキュリティの問題や通信速度の関係から、有線LANケーブルを
使う人が多いのですが・・・

こちらを使う場合の費用は、新築物件に最初から設置するほうがいいのでしょうか。
後から設置する場合と比較してみましょう。

新築物件に最初からLANケーブルを設置する費用は状況で変わる

自宅を新しく建てる時に、インターネット回線についての相談をするのは
最近ではとても普通のことです。

自宅に設置する回線の種類はもちろん、どうやって部屋に分配をするのか。
それも含めて考える必要があるのです。

感覚としては「電話回線」と同じことでしょうか。
壁に配線をして、どこの部屋からでも電話機の接続ができるようにしていますよね。

この電話回線と同じように、LAN回線を新築の時に壁に設置しておけば、各部屋で
LANケーブルを接続するだけでインターネットが出来るようになります。

ただしインターネットへの接続をするためのルーターを設置する場所も考える
という必要がありますが。

新築物件の中にはこのインターネット接続のルーターを屋根裏に設置して
直接そこに光回線を引き込んで設置しているという新築物件もあります。

ルーターを設置する部屋も、配線をスッキリさせることが出来るのでとても
片付けやすいのですがルーターのメンテナンスが出来ないというデメリットも。

そして物件内にLANケーブルを設置する場合、その費用はどうやって配線をするか
それによって大きく変わってしまいます。

ある程度の傾向と、配線にかかる費用について確認していきましょう。

ハウスメーカーに頼むと高くなることも

先ほどから説明している通り、最近ではインターネット回線を新築物件で配線するのは
かなり一般的になっています。

当然ハウスメーカーでもそれに合わせたパックやセットなどを注目することが出来る
ということになっていますが。

ただこれも状況によってかなり費用が変わる可能性があるのです。
例えばとあるハウスメーカーで新築物件の見積もりを出した場合をみてみましょう。

ある人の場合では5ヶ所のLAN端子設置で追加費用として20万円以上かかる
という見積もりが出ました。

でも他の地域では3ヶ所10万円、1ヶ所追加で数千円だったそうです。
更に別の地域では3ヶ所5万円というところも。

この費用の違いについては色々な理由があると考えられます。
実際に工事をするところの技術や設備の問題もありますし。

料金に関しては、ハウスメーカーの担当者と相談することで下がる可能性は十分に
考えられます。

最初から壁に配管をして、LANケーブルを設置するのは建築時にやるのが便利です。
できれば交渉をしてなるべく安く工事してもらえるように頑張ってみましょう。

LANを使うかわからなくてもカラの配管をしてもらうという方法も

配管の部品のコストはかかりますが、LANケーブルを使うかわからないというときでも
とりあえず配管だけはやってもらうという方法もあります。

新築時に有線LANを設置する場合、基本的には多機能コンセントを作ってそこから
LANケーブルを接続することになります。

つまりコンセント部分に電気や電話の他にLANケーブルを通すための配管も設置する
ということです。

新築時にカラの配管だけを設置してもらうのはそれほど手間がかからないので
場合によってはかなり安く設置してもらえることも。

後からやっぱりLANケーブルを使いたい、と考えた時に設置工事が簡単に出来るのは
すでに配管がされている場合です。

その場合を考えて配管だけをしておくというのもおすすめです。
当然ですが設置工事費用、特にカラの配管のコストもかかることになりますが。

ただ電気工事をする業者によっては断られることもあります。
断られた時には素直にあきらめましょう。

後からLANケーブルの配線をする場合には作業員の派遣料金がかかる

新築時に壁にLANケーブルを配線する場合の相場は平均すれば10万円くらいで
設置できるということがわかりました。

ただこの費用というのは状況によって大きく変わってきます。
あくまでも相場なので、作業内容なども確認して料金を判断しましょう。

では新築以外の場合、後からLANケーブルを設置するためにかかる費用というのは
どれくらいになるのでしょうか。

やはり細かな状況によって費用は変わるのですが、後から設置する場合にはどんな時も
変わらずにかかる費用が一つあります。

それが「作業員の派遣工事費用」です。

新築の場合はLANケーブルの配線の他にも、色々な電気配線工事などもあるので
最初から工事に作業員の派遣料金が含まれています。

でも後からLANケーブルを配置するためには、作業員を派遣して別の日に工事をする
という事が必要になります。

この「作業員を派遣して工事してもらう費用」がどんな状況でも必ず支払うので
それを忘れないようにしましょう。

配管されている場合は5万円くらいが相場

では後からLANケーブルの配線をしてもらう場合、すでに配管されている状況の
工事費用を確認してみましょう。

配管されている、というのは多機能コンセントなどをつなぐケーブルを通すための
塩化ビニール製のパイプがすでに通っている状態のことです。

電気の配線を始め、電話線のモジュラーケーブルなどはこの配管を通って壁の中で
配線設置されているということになります。

最初から家中のインターネット回線を1つのルーターで分配するタイプにしているなら
配管はどこの部屋からでもルーターの場所につながるようになっているはず。

でも後からLANケーブルを設置する場合、ルーターがある部屋に直接LANケーブルを
持っていく必要があるので、その配管がされていることが必要です。

この配管が終わっている場合、LANケーブルの設置だけが工事内容になるので
基本的に派遣される作業員が1名となります。

そして配管に通すLANケーブル、ケーブルに付ける接続端子などの機材代金。
それに多少の雑費がかかることになります。

これに作業員1名の派遣作業費用を含めると大体4万円くらい。
複数の多機能コンセントにLANケーブルを配線する事が多いので多少の加算。

平均すれば大体5万円くらいがかかる、という計算になります。
当然ですがその時の状況や業者によって料金に違いがでます。

ただLANケーブルを一度に複数設置すると費用がそれだけ多くかかりますが
後日改めて設置するよりもかなり安くなります。

できれば一度の工事で配線をするようにしましょう。

配管がされていない場合は作業員2名が必要なので費用が10万円近くになる

では現在配管がされていない状況で、LANケーブルを設置するにはどれくらいの
費用が必要になるのでしょうか。

簡単に作業内容を説明すると、壁の中にLANケーブルを通すことが出来ないので
壁の外側を使ってLANケーブルを室内に引き込むことになります。

当然屋外でも使える耐久性の高いLANケーブルを使うので品質的に問題はなく
LANケーブルの金額もそれほど大きな違いはありません。

ただし高所作業となることが多いので、作業員が2名必要になります。
つまり派遣作業員の費用が2人分となるのです。

それに外壁に沿わせるようにケーブル設置をするので、LANケーブル自体の長さも
必要になります。

LANケーブルが長くなれば、そちらでもコストがかかるので長くなった分の料金が
多少加算されることになります。

1ヶ所のLANケーブル設置で大体8万円程度。
複数のLANケーブル設置では9.5万円くらいが相場と言われています。

派遣作業員の費用は30,000円なら安い

後からLANケーブルの設置をする場合、設置しようとしているところに配管が
行われているかで大きく費用が変わることになります。

すでに配管がされているなら、派遣作業員が1名になるので30,000円くらい。
これなら安いと言われるくらいの相場です。

それに多機能コンセントや通常のコンセントにLANの差込口をつけるための
カバーの交換、使ったLANケーブルの長さの費用がかかります。

特に配管されていない場合には、作業員が2名必要になるのでその費用がとても高く
1ヶ所だけの設置でもかなり高額になります。

それと設置に使う部品などにも場合によってはかなりの費用がかかります。
業者によって変わるものも多いので、見積もりと内容の確認はしっかりとしましょう。

配管されているなら自分でLANケーブルを通すという方法もあり

DIYが得意、電子工作が出来るという方なら自分でLANケーブルの配線を行う
という選択肢もありかと。

当然ですが自分で配管工事をすることは出来ませんし、屋外での配線も無理です。
すでに配管工事が行われていることが条件になります。

最近の新築では、多機能コンセントを使う事が多いので多くの配線が「情報分電盤」
というところに集まるようになっています。

配管も当然そこに集まっているので、一度そこまでLANケーブルを設置してから
目的の部屋まで更に設置してやればいいのです。

専門業者が使うようなケーブルを通すためのガイドワイヤーなども最近では簡単に
購入することが出来ますが・・・

数千円かけるよりも、雑誌をまとめるときなどに使うビニール紐を使う方法が
とても便利でおすすめです。

ビニール紐を配管から入れて、情報分電盤側の口から掃除機で吸い取ります。
ビニール紐が通ったらそれにLANケーブルを結んで引っ張るだけ。

ただこの作業ではかなり頻繁にそれぞれの状況確認が必要になります。
できれば2人以上での作業をおすすめします。

1人でやると階段の上り下りなど余計な体力を使ってへとへとになりますから。

LANケーブルを設置する部屋の優先順位を決める

自分でLANケーブルを設置する場合や業者に頼む場合でも、LANケーブルを設置する
部屋の優先順位を決めておくことはおすすめです。

新築物件にLANケーブルを設置する場合でも、全ての部屋に設置するとなると
かなり工事費用がかかるという場合が多いです。

いくらでも建設のための費用に使える、という方なら話は別なのですが。

有線LANでのインターネット接続が必要になるのはどんなところなのか。
一般的に考えるなら高速での通信が必要になることが多い、という場所です。

もっと細かく考えるなら、高画質で配信動画を見るためにテレビの置いてあるリビングに
LANケーブルを配線する。

テレワークをするために仕事部屋や書斎など、子供がオンラインゲームをするために
子供部屋にも設置する、ということもあるかと。

家族の状況などでもインターネットの高速通信を必要とする場所は変わります。
どこに設置するのかは家族とよく相談して決めましょう。

有線LANと無線LANそれぞれの特徴について確認

LANケーブルの配線、つまり有線LANを使うということで説明をしてきましたが
実際に最近では無線LANでの通信もかなり普及しています。

無線LAN規格の1つ、Wi-Fiを使った通信はとても広く使われていて、ケーブルが
必要ないためにかなりスッキリとしているという評判も。

ではこの無線LANが注目されている中で、有線LANでのインターネット接続をしたい
というのはどういう状況なのでしょうか。

そもそも有線LANと無線LANではどのような違いがあるのか。
それぞれの特徴について、改めて確認をしておきましょう。

有線LANは高速通信が出来て安定性も高いのが魅力

有線LANは基本的に通信ノイズを遮断できるカバーを使っているので、通信の安定性は
とても高くなっています。

更に通信ノイズが入りにくく、通信データの破損も少ないので通信速度が比較的高い
という大きなメリットがあるのです。

最近はLANケーブル自体の性能も高くなり、以前は通信用のサーバーや研究機関で
使われていたCAT7という高性能LANケーブルもかなり安くなっています。

手軽に高性能の、安定した通信環境を利用することが出来るというのが有線LANの
とても大きな魅力となっています。

ケーブル設置場所などの問題がある

有線LANケーブルを使う場合、当然ですが実際にケーブルを端末に差して使います。
LANコネクタがない端末では有線LAN接続は出来ません。

そしてケーブルを使うので、端末の周りのケーブルがとても邪魔です。
パソコンの裏側のケーブルの束、という状況は以前よりよく見かけるかと。

あまりにもひどい場合、そのケーブルがコンセント接触して発火するということも。
火事の原因になるという危険性もあるのです。

それにケーブルを設置するための場所も必要になります。
あまりに長いLANケーブルを設置するのはかなり大変なことになります。

実際にケーブルを使う、これが有線LANの最大のデメリットです。

電波が届く範囲ならどこでもインターネット接続が出来る無線LAN

無線LANのメリットは、電波を使った接続なのである程度なら距離や障害物を
気にせずにインターネット接続が出来ます。

無線LANの電波が届く範囲内ならどこからでも接続可能です。
最近ではWi-Fiルーターの性能も良くなっているので、とても広くなりました。

Wi-Fiルーター1台で家中どこでもインターネットへの接続が出来るようになる
ということも可能です。

しかも無線電波での接続なので、同時に複数の端末をインターネット接続しても
ケーブルがじゃまになることはありません。

スマホなど有線LANケーブルの接続ができない端末を固定回線に接続するには
無線LANは欠かすことが出来ない接続方法です。

安定性と通信速度は低い

無線LANの場合、電波を使っているのでどうしても通信ノイズが入りやすいため
通信速度に関しては状況によってとても遅くなります。

特に光回線を使う場合、今では下り1Gbpsが一般的ですが無線LANの場合には
基本的に下り1Gbpsを出すことが難しいです。

つまり光回線の性能を十分に使い切るためには、無線LANでつなぐよりも
有線LANで接続するほうがいい、ということになります。

しかも無線LANで使われている電波の周波数帯は多くの電化製品でも使われるので
電波の競合、電波干渉が起こりやすいのです。

一応電波干渉が起こりにくい、5GHz周波数帯のWi-Fiもありますが・・・
こちらは障害物に弱いという、別の弱点があります。

また一戸建てで全ての部屋に無線LANの電波を届かせるためには、中継機を使うなど
色々な方法を試すことが必要になることが多いです。

手軽なのですが、無線LANでは通信速度と安定性はどうしても低くなります。

基本的には建築時にLAN配線をするほうがコストは安くなる

有線LANと無線LANはそれぞれにメリットとデメリットがあるので、できれば
どちらも上手に使って家中でインターネットが出来るようにしたいところです。

2階以上の一戸建てなら、それぞれの階層にWi-Fiルーターを設置できるように
LANコンセントを設置するという方法も。

階層をまたいでケーブル設置をする場合、後から配管が出来ないことを考えると
建築時に配線工事までやってしまうほうが便利です。

それにコスト面を考えても、作業員の派遣作業費用を考えないでいいというのは
かなり大きな魅力になります。

新築時には電気工事を始め、必ず配管も行うのでその時に一緒にやってもらう
これが作業的にもコスト的にも一番のおすすめです。

それに高画質動画の配信など、安定した高速通信が必要になることも今後多くなる
という予想が出来ます。

有線LANを使う場面は多くなると考えられるので、新築の時にはLAN配線を
やってしまうことをおすすめします。