軽量鉄骨の物件はうるさいって本当?

賃貸物件を借りる時に、気になる条件の1つが周辺住人の出す音の問題です。
場合によってはかなり大きなトラブルに発展することも考えられます。

それに自分が生活しているときの音が、周囲の聞こえているというのはあまり
気持ちのいいことではありません。

よく言われている「軽量鉄骨の住宅は音漏れが凄い」という意見も気になります。
住宅は作り方によって音の聞こえ方が変わってくるのでしょうか?

軽量鉄骨造は建物の構造の種類の1つ

建物には建築の構造の種類があります。
木造、といえばわかりやすく木で作られている家のことです。

これと同じように建築に使っている建材などの種類や作り方、構造によって
色々な呼び方があるのです。

軽量鉄骨というのは鉄骨造の1つで、厚さ6㎜未満の鉄板を使って作られた鉄筋を
作る方法です。

この軽量鉄骨を使って作られた建築物を「軽量鉄骨造」と呼びます。
骨組みなどを工場で作れるので、出来上がるまでの時間が短いというメリットがあります。

そして厚さ6㎜以上の鉄板を使って骨組みを作る場合、重量鉄骨と言います。
これで作られる建物は「重量鉄骨造」ということになります。

ちなみに後は鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造という構造もあります。
このような建物の構造の1つが「軽量鉄骨造」といいます。

軽量鉄骨造の全てがうるさい訳ではない

ではよく噂で言われているように「軽量鉄骨造は騒音がうるさい」というのは
本当なのでしょうか。

構造的な防音性能、という意味では「軽量鉄骨造」の防音効果は木造の次に低く
総合的に見ると「高い防音性がある」とは言えません。

それに鉄骨造の場合、木造に比べると「足音」などの振動に対する吸収力が低く
他の階層に伝わりやすい、という特徴もあります。

重量鉄骨造の場合には、壁などに防音設備を施しやすいという特徴もあるので
それを考えると確かに「軽量鉄骨造はうるさい」という評価になるのですが・・・

はっきり言えば「軽量鉄骨造の全てがうるさい」というわけではありません。
確かに音が伝わりやすく、防音性能が低いというところはあります。

でも「住居として近隣の音が聞こえやすい」という意味のうるさいということなら
軽量鉄骨造だから、だけではないのです。

軽量鉄骨造でもしっかりとした防音がされている物件もあります。
重量鉄骨造でも周囲や隣の音が聞こえてうるさい、という物件もあります。

うるさいと感じるのは住居の構造だけが問題になるのではないのです。

軽量鉄骨造の防音対策は自分で出来ることもある

入居した後に軽量鉄骨造ということがわかり、しかも近所の住民の音が聞こえて
とても気になる、ということもあるかと。

そんな時に諦めてすぐに別の住居を探すのではなく、自分でできる防音対策を
やってみるということもおすすめです。

構造上の問題で、上の住居の排水の音が響くように聞こえるという場合には
何も出来ないのですが・・・

隣の話し声が聞こえる、というくらいなら壁に防音シートを貼るということでも
かなりの防音効果に期待ができます。

当然、外の音が聞こえるというなら自分の部屋の音も聞こえるということなので
それが気になるなら窓などの隙間をふさぐテープなどを使うという方法も。

上の階の足音や他の部屋のどんちゃん騒ぎなどは管理会社や大家さんに連絡をして
注意をしてもらうということになりますが・・・

賃貸住宅の場合は原状回復の原則があるので、出来ることにも多少の制限がでますが
自分でできることでも十分に騒音を軽減できる場合もあるのです。

軽量鉄骨造は一般住宅や小規模マンションなどで使われる建築方法

軽量鉄骨造というのは、先ほどちょっと説明しましたが工場で骨組みなどを作ってそれを
現地に持っていって組み立てるという作り方をします。

簡単に言えば「プレハブ工法」で、工場で大量生産が出来るために比較的安価で作れて
しかも組み立てるだけなので建設日数も多くかかりません。

鉄骨に使っている鉄板が薄めのため、組み上げたときの耐震構造を強くするために
柱と梁の間に筋交いに補強するプレース構造などを使っています。

鉄骨に使っている鉄板の厚さが比較的ないので、高い建造物に使われることは少なく
基本的に一般的な一戸建て住宅などで使われる構造となります。

アパートや小規模マンションでも使われるので、賃貸住宅として借りる時には家賃が
手頃という魅力もあるようで。

ちなみに戸建住宅で使う場合、デメリットとして設計の自由度が少ないというところも
指摘されています。

耐震強度を保つために、決められた柱や梁を設計図通りに作る必要があるので
一部の壁などを取り除く、というカスタマイズが出来ないことも多いのです。

ではこの「軽量鉄骨造はうるさい」と言われる理由について、もう少し調べてみましょう。

骨組みが薄いので壁も薄くなる

6㎜未満という薄い鉄板を使って作る鉄骨を使っているのが軽量鉄骨造です。
つまり柱などに使われている鉄骨もコンパクトなのです。

単純に重量鉄骨造の柱と比べれば、その厚みはかなり変わってきます。
つまり柱と柱の間にある壁も薄くなる、ということに。

しかも壁にはコンクリートを使っているわけではありません。
コンクリートなら防音効果はとても高いのですが。

コンクリートの壁を使っているのはRC造やSRC造、つまり鉄筋コンクリート造や
鉄骨鉄筋コンクリート造です。

重量鉄骨造なら壁がちょっと厚くなるので、壁に防音効果の高い遮音材などを入れる
という方法もあるのですが。

コンクリートも使わず、壁の工夫もしにくい軽量鉄骨造は音漏れがしやすいという
印象が強くなります。

これが「うるさい」という印象につながりやすくなっている、と考えられます。

軽量鉄骨造でも対策をしていればうるさくはない

軽量鉄骨造はプレハブ工法、壁が薄い、鉄骨は振動を吸収しないという一般的な意見が
そのまま軽量鉄骨造の印象になっています。

実際には「軽量鉄骨造でも対策をしていれば大丈夫」なのです。
壁に遮音材を入れることも十分に出来るのです。

ただ軽量鉄骨造の場合、外気の温度変化に影響されやすいので壁には基本的に断熱材を
使う事が多いのですが。

そのために音に関してはあまり対策がされていない所も多い、というのが現状です。
特に足音や家具を引きずる音など、出している方が気にならない音もあるので・・・

でも賃貸住宅の場合、隣に別の人の生活があるという前提なので建築時に対策をしている
建物も探せば見つかるはずです。

軽量鉄骨造でも隣の音が気にならない対策が取られている物件の特徴なども確認します。

軽量鉄骨造の物件でよく取られている対策と確認方法

根本的なことを言えば、重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造などのマンションを借りれば
基本的に防音対策はかなりしっかりと行われています。

それに分譲物件を賃貸で貸し出している部屋があれば、分譲住宅のほうが防音対策は
確実に行われているはず。

ただそれでも確実というわけでもないのですが。
そして防音対策は軽量鉄骨造でもきちんと行われているのです。

賃貸物件を決める時に、間取りや内見で確認できる防音対策の確認方法を紹介します。
確実にできる状況も厳しいところですが、出来るなら確認をしてみましょう。

居室が隣り合っていない

ワンルームの場合、隣の部屋の方にクローゼットが設置されている。
それがお互いの部屋で設計されていれば、クローゼットが遮音材の代わりになります。

場合によっては反対側の部屋側にバスやトイレがある、という構造の建物もあります。
短時間しかいないので、そこで音が聞こえてもそれほど気にはならないかと。

普段いるところ、居室は別の部屋と隣り合っていないという状況なら音が他の部屋に
聞こえるということは少ないです。

しかもこれなら実際に部屋を見なくても、間取り図で確認することも出来ます。
場合によっては不動産業者にちょっと苦労をしてもらうことになりますが。

現入居者の撤去が終わっていない、まだ内見できない状況でもこれなら確認出来ます。

角部屋、最上階の部屋を借りる

これは単純に「隣り合う部屋が少ない」という状況を探す方法です。
角部屋なら防音対策を気にする部屋が一つ減ることになります。

最上階なら上からの騒音は気にする必要がありません。
人の足音が気になる、という方にはおすすめです。

ただ必ず希望する部屋が空いているという状況は、あまり期待できません。
それにそれらの部屋は家賃が高い、ということも多いです。

騒音を気にする人も多く、そんな人達は当然ですが角部屋や最上階を希望します。
希望する人が多ければ家賃が高くなることは多いのです。

逆にファミリー世帯で他の住民に音の迷惑をかけたくない、という理由から
1階を選ぶという人も多いようで。

子供の足音は特にトラブルの原因になりやすい、と言われています。
賃貸物件の入居者の状況を確認する、というのもおすすめです。

子育て世代のいない物件にする

先ほどの足音にも関係するのですが、子育てをしている家族の場合にはその他にも
子供の鳴き声や叱る声など聞こえやすい音が多く出るという問題点があります。

お金がかかる子育て世代は、比較的家賃の安い木造や軽量鉄骨造の物件を利用しやすく
外に声が漏れやすいという状況になるのです。

不動産業者に確認をして、子育て世代が近所にいるという情報があればあきらめる
という選択肢もあるかと。

自分が一人暮らしの場合、特に子育て世代の音をうるさいと感じることも多いので
これにはかなり注意が必要です。

壁の状況や遮音性を確認してみる

部屋の内見が出来るなら、実際に壁を叩いてもらって音を確認しましょう。
隣に人がいない状態の時、という条件がありますが。

壁に遮音材が使われているなら、低くこもった音がします。
高い音がするなら防音効果には期待できない、ということです。

それに不動産業者に頼んで、ドアを閉めた状態で廊下を歩く人の音を確認する
というのもおすすめです。

内見時に部屋でドアを閉めてもらい、不動産業者に廊下を歩いてもらいます。
ドアが閉まっていても音が聞こえやすいなら、ちょっと厳しい状態かと。

内見時は部屋の中が静かなので、外の音が聞こえやすいという状況ですが。
それも考えて、よく確認をしておきましょう。

部屋の中の音の反響を確認する

壁の状態と一緒に確認をしたいのが、部屋の中の音の反響状況です。
例えば部屋の中で手を叩いた時に、その音はどう聞こえるでしょうか?

よく音が響いて「パン!」ときれいに聞こえるなら壁の防音がしっかりしていて
部屋の外に音を漏らさないようにしていると考えられます。

でも音がこもって聞こえるようなら、部屋の中で反響をしていないということに。
この場合はいくつか原因が考えられるのですが・・・

壁に遮音材が使われていない場合、音を吸収して他の部屋に逃してしまっている
という事も考えられます。

更に気密性が低く、窓やドアから外に音が漏れているということもあります。
壁を叩く前に、まずは手を叩いて音の反響を確認してみましょう。

窓から近隣の状況も確認してみる

内見をしているなら当然窓から外の景色を確認することも出来るはずです。
窓から景色、というか周囲に何があるのかを確認しておくことも重要です。

一人暮らしの場合、ほとんど日中は仕事にでかけているので近所に保育園や
小学校などがあってもそれほど問題にはなりません。

仕事の休みが平日、という場合には休みの日に子供の声がするという状況になるのが
この周辺状況でわかるのです。

後は近くに工場などがあれば、ある程度の騒音が予想されます。
これも日中部屋にいないというならそれほど問題にならないのですが・・・

近所にスナックやバーがあると、そこにあるカラオケなどが騒音になるという
状況も考えられます。

窓を閉めてしまえば音が聞こえない、ということは窓を開けると騒音が聞こえる
ということです。

しかも音漏れがしている、と判断されるなら閉め切っていても音が聞こえることも。
周辺の状況をよく確認しておきましょう。

不動産業者に他の入居者の情報を聞いておくといい

色々と部屋の中や近くの環境を確認しても、やはり同じ建物に住んでいる住人の行動が
一番の大きな騒音トラブルになりやすいです。

特に生活のリズムが大きく違う人がいる場合、お互いに生活の音自体が気になる
ということでトラブルになりやすいです。

子育て世代の家庭なら当然子供に関する音がよく聞こえます。
夜に仕事をしている人は出勤や帰宅の時間が他の人と大きく変わります。

部屋で生活する時間帯が違うので、掃除機や洗濯機の音が気になる場合も。
多分これはお互いに気になるところだと考えられます。

部屋が軟骨鉄筋造だから、防音がしっかりしていないからという理由だけではなく
やはり音のトラブルは発生させる人によるところはとても大きいのです。

できれば不動産業者に他の入居者の情報を聞いて、ある程度の想像を働かせて
判断することも必要になります。

自分でできる防音対策を考えてみる

軽量鉄骨造だから、というわけではなく部屋で生活している間に自分が出している
音というのは案外と他の人が気にしやすいものです。

自分が気になるなら隣の人も気にしている、ということも考えられますし当然ですが
他の階の住人が気にしているということも。

そこで色々なトラブルを避けるために、自分でできる防音対策をしてみるというのは
いかがでしょうか。

近隣の部屋の音を防ぐだけではなく、他の階の住人に迷惑をかけずに生活するためにも
必要になると考えられます。

そんな「自分でできる防音対策」についてもちょっと確認をしておきましょう。

壁に防音シートを貼る

特に軽量鉄骨造の場合、壁の中に断熱材しか入っていないために音が聞こえやすい
という状況が多く考えられます。

そんな時には自分の部屋に防音シートを貼るだけでも大きな効果が期待できます。
当然壁からの声も聞こえず、自分の声も壁を通しにくくなります。

防音シートはホームセンターなどでもかなり手軽に購入することが出来ます。
値段もそれほど高くないのですが、利用する時にはちょっと注意が必要です。

粘着力の強いシートだと、壁紙に傷をつけてしまうことも考えられます。
賃貸住宅では壁紙も原状回復の対象になるので。

壁紙を傷つけない両面テープなどの商品も一緒に使う事が必要になります。
でも隣の部屋の音を遮断する、という効果にはかなり期待ができます。

自分も生活して、それなりに音を出している時には気にならないのですが
夜に隣の部屋から喘ぎ声が聞こえてくる、というトラブルもありますし・・・

ちなみに防音シートは部屋の天井に貼れば上の階からの音を防ぐことも出来ます。
作業がちょっと大変ですが、天井からの音が気になる場合にも使いましょう。

ドアや窓の隙間にラバーテープを貼る

ドアや窓を閉めても音が聞こえてくる、というのはドアや窓に隙間があってそこから
音が聞こえてくるという可能性が高いです。

そんな時には、それぞれの隙間を埋める防音テープやラバーテープを使います。
どちらもホームセンターなどで簡単に購入することが出来ます。

それに隙間をふさぐことで音漏れ防止だけではなく、冷暖房の効率アップにも期待が
出来るようになるというメリットも。

軽量鉄骨造は構造上、どうしても冷暖房の効率が高くなりません。
それに加えて隙間があると、更に効率が悪くなってしまうのです。

それを防ぐためにも効果的な防音シートやラバーシートは、手軽でおすすめしやすい
防音方法です。

家具の位置を考える

隣の部屋の間にクローゼットなど、収納空間があるだけで音の聞こえ方は大きく
変わって聞こえにくくなるという可能性が高いです。

これが出来ていない場合でも、隣の部屋との境の壁に家具を置くことで多少の
防音効果に期待ができる場合もあります。

タンスなどがあればそれを置くだけでもかなり音が軽減されます。
またこちらの音が隣に聞こえないようにする工夫も必要です。

オーディオスピーカーなど壁につけてしまうと、反響が隣の部屋にも響く
という可能性はあります。

テレビのスピーカーも同じで、あまり壁に近いと音が伝わってしまうのです。
できれば隣の部屋の壁からは離すようにしましょう。

単純にベッドの位置を変えるだけでも隣の音が聞こえにくくなる、という可能性は
とても高いのです。

隣の人との生活時間が違う、ということがわかるなら少なくてもベッドを壁から
離しておくことが効果的だと考えます。

カーペットや家具の滑りを良くするキャップを使う

こちらは自分が他人に迷惑をかけないための方法です。
家具を引きずる音は下の階の人にかなり響いてしまいます。

それを防ぐことで余計なトラブルをなくそう、というのがこちらの方法です。

部屋に厚手のカーペットを引くことで家具や足音に関する消音効果はかなり高く
歩き方などを気にする必要はなくなります。

厚手のカーペットがなければ100円均一ショップで販売している組み合わせ可能な
クッションマットでもかまいません。

タイルのように組み合わせができる衝撃吸収マットがあればいいのですが。
普通のクッションマットでもかなりの効果が期待できます。

それに家具の足につける、滑りを良くするキャップなどもおすすめです。
フローリングを傷つけずに家具を動かすことが出来るので賃貸にはもってこいです。

しかも音を立てにくくするので下の階の人の騒音トラブルの予防も出来ます。
イスなどよく動かす家具の脚にはぜひ付けておきましょう。

遮音カーテンは低い音を遮断しにくい

窓の対策としては、遮音カーテンという方法もありますが・・・
私としてはあまりおすすめしません。

遮音カーテンはそもそも高音域の音を遮断することが出来るアイテムです。
人の話し声などを遮断するためには効果的なのですが。

カーテンを閉める、という状況で外から人の声が大きく聞こえるというのはあまり
考えにくい状況です。

それに遮音カーテンは低い音、車の走行音などは遮断しにくいのです。
カーテンを閉める夜に聞こえる音を遮断するのが苦手です。

外からの音に関する対策としては、二重サッシにするという方法もありますが。
こちらは原状回復が難しくなるのでやはりおすすめがしにくいです。

あまりお金をかけなくても出来る対策はあるので、まずはそれを試してみる
というのがおすすめの方法です。

軽量鉄骨造以外の構造の住宅について注意点を確認してみる

軽量鉄骨造の住宅でも、しっかりとした防音対策を取ることが出来るなら他の部屋の
音が気になることは少ないかと。

でも元々の騒音対策がされている、構造上の防音対策が取れやすい建築構造の
賃貸住宅なら防音対策について考える必要はありません。

それに「軽量鉄骨造の賃貸はうるさい」というイメージが強い人にはやはり
軽量鉄骨造の建物を契約しにくいはず。

そんな方は他の構造の賃貸住宅を探す、ということになるのですが・・・
軽量鉄骨造以外なら何でもいい、というわけでもありません。

木造は軽量鉄骨造以上に防音効果が低いので、考える必要はないのですが
他の建造方法なら確実に安心というわけでもないのです。

防音に対する他の構造の賃貸住宅の注意点も確認しておきましょう。

重量鉄骨造でも壁に遮音材が使われていない場合がある

一般的には重量鉄骨造の場合、軽量鉄骨造に比べて壁を厚くすることが出来るので
防音効果の高い素材を壁の内部に入れやすいと言われています。

当然遮音材などを入れることが多いのですが、確実に全ての建物に遮音材が使われる
という保証はありません。

断熱材は当然としても、その他には防火効果の高いものを入れるのですが。
グラスウールなど遮音性の高い素材を入れないという場合も考えられます。

軽量鉄骨造と違って、壁を叩いても中にどんな物が詰まっているのかを判断するのは
難しいので注意が必要になります。

RC造は建造コストが高いので家賃も高くなりやすい

鉄筋コンクリート造、RC造の場合は防音や耐震などの性能はかなり高いです。
ただしその分だけ建築コストも高くなります。

RC造のマンションを建てるために必要になる金額はとても高くなり、それを回収する
マンションの販売価格や家賃も高くなってしまいます。

確かにRC造のマンションを借りることができれば、近隣の音がうるさいと感じることは
少なくなるはずです。

ただそれは軽量鉄骨造の賃貸住宅で防音対策をとっても十分に可能と考えられます。
高い家賃を払い続けることを考えると、防音対策のほうが安くなる可能性も。

でも家賃が高いということは、それだけ賃貸住宅としてのサービスも充実している
ということになります。

単純に防音効果のためだけにRC造の賃貸を探す、と言うならおすすめしませんが
総合的に判断してRC造の賃貸に決めると言うならおすすめです。

鉄筋コンクリート造でも窓の位置や周囲の状況でうるさいと感じることもある

コンクリートの壁を使っている場合でも、必ず騒音がなくなるわけではありません。
確かに遮音性は高いのですが、それが全てではないのです。

特に窓の位置、外部の音を拾いやすい位置に窓があるだけでかなりうるさいと感じる
可能性はあります。

それに近所迷惑な音を立てる人が同じ建物にいれば、それだけでもかなり迷惑で
あまり聞こえなくてもうるさいと感じることになります。

環境や周囲の状況で騒音と感じることはかなり増えるのです。
それが道路工事等一時的なものだといいのですが・・・

子育て世代がいるなら当然数年間は子供の声などが聞こえやすくなります。
またペット可の物件ならペットに関する騒音も心配です。

完全な防音設備の賃貸住宅、というのは考えられないので周囲の環境や状況など
確認しておくことは多くあります。

実際にあった騒音トラブルの例

では実際に賃貸住宅であった、騒音トラブルの事例を確認してみましょう。
どんなことでトラブルに発展するのかを知っておくことはかなり重要です。

また契約する前に、不動産業者に騒音トラブルについて確認をしておくことも
必要になります。

不動産業者は過去のトラブルに関して、事実と違う説明をすると契約不履行となり
場合によっては訴訟、裁判沙汰になるということもあるのです。

当然不動産業者が不利になるので、これらの説明を求められた場合にはかなりきちんと
説明をしてもらえるのです。

特に音が気になる方は、不動産業者への確認を忘れずに。

ペット可の物件で他の部屋のペットが騒ぎ続ける

元々ペット可の物件なので、ある程度の防音対策は行われていました。
それでも完全に防ぐことが出来ない、という状況は多くあります。

しかも時間を気にせずにペットが騒ぐので、場合によってはかなり大きなトラブルに
発展することも考えられます。

また最初はペット不可だった物件が、なし崩し的にペット可になるというトラブルも
報告されています。

一人の住人が内緒でペットを飼ってしまい、それを大家さんが認めてしまったために
他の住人もペットを飼い始めるという事例もありました。

ペットに関する騒音トラブルはかなり多く報告されています。
ペット不可だから安心、というわけではないので注意しましょう。

住んでいる人の生活習慣がバラバラ

家族連れから学生、一人暮らしとかなり多くの属性の住人がいるところでは
それぞれの生活習慣が違いすぎてトラブルになる可能性もあります。

仕事のシフトの関係で夜に働いている一人暮らしの人と家族で生活する人では
当然かなりの生活時間帯のズレがあります。

それに学生の場合、そもそも生活習慣が不安定で行動時間が定まっていない
ということも多いのです。

そんな人達がいる中で、掃除機や洗濯機を使う時間帯がおなじになる可能性は少なく
他人が眠っている時間帯に音を立てる必要がある、という状況は多いです。

周囲に気を使うことが難しい人の場合、この生活習慣の違いが大きなトラブルになる
という報告がされているので注意しましょう。

無自覚の生活音がトラブルの原因になる

人が歩くときの音、ドアの開閉のときの音など生活の中で出る音には多くの種類があり
そのほとんどは出している人が気にせずに出ている音です。

でもこの生活音がとても気になる、という方もいるのです。
特に多くの人が生活する集合住宅では色々な人がいるので・・・

自分は普通に歩いているつもりでも、下の階の部屋からは「足音がうるさい」という
クレームが出るという報告があります。

確かにフローリングの場合、下の階に音が響きやすいという報告もあるので
スリッパを履くなどの響かせない対策は必要になるのですが。

生活音に対して鈍感な人は、多少の配慮をする事が必要になるかと。

騒音トラブルは軽量鉄骨造だから起きるとは限らない

これらのトラブルの報告は、軽量鉄骨造の集合住宅に限ったことではなく
他の構造住宅でも報告があります。

実際に生活をしてみないと、どんな人がどんな時間に、どんな生活音を出しているのか
それを知ることは難しいところです。

ただ目安として、内見の時にゴミ置き場を確認するという方法もあります。
マンションでは共同のゴミ置き場、ゴミ捨て場があるはずです。

ここをきれいに使う事ができる住人なら、他人に対する配慮も出来るはずです。
むやみに足音を立てて歩くなどのトラブルは少ないと考えられます。

それに郵便受けがきれいに使われているかも確認しましょう。
こまめに郵便受けを確認する人が多いなら、やはり配慮は出来るはず。

それに郵便受けやゴミ捨て場は管理会社、管理人がしっかりと管理していれば
住人が汚く使うこともありません。

住人と管理会社の関係が良好、という可能性は高いので騒音トラブルに発展する
という可能性も低くなると考えられます。

音が気になるなら構造よりも住人と周囲の状況を確認する

確かに軽量鉄骨造の賃貸物件は他の部屋の音が聞こえやすいと言われています。
でも当然対策をしている建物も多く、自分でも対策を取ることが出来ます。

そして音を出しているのは基本的に他の部屋の住人です。
軽量鉄骨造に限らず、住人がトラブルを発生させることが報告されています。

つまり音が気になるという場合、まずは騒音トラブルがないのか不動産業者に確認して
住人の情報などを集めることです。

そして周囲の環境も確認、こちらは不動産業者に報告の義務がないので自分で情報を
集める必要があります。

周囲の大きな道路の状況、線路や踏切など、駅や飲み屋街など人が集まるところがあるか
それを確認して自分の生活習慣と合わせて考える必要があります。

軽量鉄骨造はうるさい、と言われますが原因はそこではないと考えます。
結局人や周囲の環境を確認するほうが重要という結論になりました。